高級和風住宅・現代数寄屋造り・リフォームに宮大工の伝統の技を活かす吉田建設

木について(親方解説)

工場見学会での吉田勝之の解説です。 

 

■敷地内に建設中の小屋にて 

(見学者)丸太の材質は、
(吉田)「杉、向こうはヒノキ。使うのは松が多いね。」
「梁とかやるんでは、ヒノキだとまっすぐだがね、松なんかだと曲がってるから、梁とか組ませるんでは、曲がってたほうが組ませやすいんだよね。力も松のほうがだんぜんあるからね。だからもっと力がいるところは、ケヤキとか使ったけどね。」
ケヤキのほうが固いんですか。
「樫のほうが固い。建築材料には樫は使わないから、建築材料には使いやすいほうがいいから日本向きにはね。建築材料には針葉樹使うから。ケヤキみたいな広葉樹はあまり使わないから、クヌギとか多い。」

 

■製材工場にて 

いくらか開いてますね。
「元がこの広さだから。これやっとかないと全部ヒビが入っちゃうんで。一番悪い面にこれやっとくんだけど。」
そうだと最後に仕上げのときにここんとこ削んないといけないわけですね。
「やや直角までね。直角まで戻さないけどね。」
「社寺建築なんかは脊割りはしないですから。弱くなるから。そのかわりヒビはあっちこっちいくんですよ。社寺建築やってるほうがヒビいってるんなんじゃ笑っちゃうんね。ヒビはしょうがないって。乾燥すれば縮んでヒビがいくんはしょうがない。これは住宅用に買ってあるから。脊割りをしちゃってあるけど。」
「もうこれ、4年。買って4年寝かしてある。」
けっこう目が細かいですね。
「細かいでしょ。これでもう50年くらい経ってるかもしれないですよね。」
ふしが多いほうが丈夫だと聞いたんですけど。
「ふしの生え方にもよるわね。だってこんだけの太い木に太いふしがあったら弱いし。」

これが一本、大黒柱に立ってるだけで家がずれるとは考えられないんですけど。たしかに古い家の大黒柱これくらいありますよね。
「八寸。」
八寸っていうと断面積で言うと3倍4倍になっちゃいますからね。
「だね。」

建て主さんのほうから、木にこだわってくれみたいなことはあるんですか。
「時々ある。秋田杉とムクの天井を上げてくれとか。ヒノキは、柱はヒノキがいいとかね。集成材は使ってくれるな、とかさ。ところによっては集成もいいんだよね。狂いがこないから。」
ケヤキなんか50年たっても暴れるって聞いたんですけど。
「ケヤキは何十年たっても暴れますよ。修復から修復まで400年くらいたっても、力のある木は、重みがついてるから(ジェスチャーをして)こうなってちゃう。崖っぷちの風あたりの強いあたりに生えてた木らしい。うーんと力が強いから、暴れる木なんだよね。」
「木なんざ50年たってもまだ赤ちゃんみたいなもんで、100年たっても200年たっても暴れる。」
自然の形状記憶みたいなもんですね。


プレカットのここが悪いみたいなとこはありますか。
「プレカットの悪いとこわね、木がこう生えてる木で、それを四角に切って、木を見ると必ず目があるわけ。プレカットは目を見ないで木を切ってどんどんどんどん進んでっちゃうから、もしも(水平の梁に上から力がかかったジェスチャー)ここに使った梁にこう生えてたような木をそのまま使ってくれればいいんだけど、逆にこう生えてた木を使っちゃったら、こうに曲がりたいんだから、そこに力がかかったらよけいこうに曲がってっちゃう。それがうーんとありますよ。木の目を逆に使っちゃう。」
「プレカットはそれができねぇ。できねえことはねえ、選ぶとかそういうふうにして押し込んでやればいいんだけど、そういうことしてたらこんどはプレカットの意味がねえから、早く出来ねえからね。寸法だけ、寸法どおりに材木だけ押し込んでパンって切って穴あけてやればね。」
「人も変われば、プレカットってちょっとはやるんだよね。」
メーカーの意気があればね。
そういう勉強ってどうやってすれば。選び方であるとか、木の性質であるとか。
「木の性質なんて経験だんべ。木を見なくてどう曲がるんであるとか、それは初めて本で読んだからってったってわかんない。やっぱり木の目を見てあっち曲がるんだねとかこっち曲がるんだなとか。見ればわかるし。おれなんか製材しただけで(触って)ピタって当たると、ああ、この木は削ると油っけがあっていいとかさ。触っただけで木の仕上がりがわかるよ。しけってる木と、かさかさの木があるんですよ。」
「材木のときは小口見るだけだから。小口でああ、この木くれとか梱包で買うときは。」


目の広い木と細かい木があるんですけど、細かい木のほうが強いんですかね。
「うん、目が細かいほうが強い。」
これなんか目が細かいですよね。
「ぜんぶ同じ山だからね。育っている日当たりの関係で。」
「やっぱり上のほうの木よりも下のほうのが切るんが早いんだよね。日が早く当たりたいんだんべね。だから伸びは山の下のほうのが伸びるんが早いっていうよね。」
「これが秋田(杉)。」
これが300年ですか。
「300年以上。秋田には民木と県木(国有林)があって、県木っていって売る木は300年以上なんですよ。全部。」
中心って、正目、、。
「中心はないです。中心をそってとってあるからね。四方松(一本松)じゃねえかな。200万くらいするからね。」
車買えちゃいますね(笑)
「これなんか1ミリ以下だもんね。目がね。」